そもそも「がん」ってなに?

「がん」とは「自分勝手に増えてしまう寿命がない細胞の塊」

動物のからだも人間と同じように、たくさんの細胞でできています。その細胞たちは、細胞が死んだり、細胞分裂(一つの細胞が二つになって増えていくこと)することにより新陳代謝を繰り返しています。

正常な細胞には寿命があり、一定回数細胞分裂を繰り返すと、それ以上は分裂できなくなります。一方、「がん細胞」は自分勝手にどんどん増えていき、厄介なことに無限に増殖することが可能です。

「がん」、「ガン」、「癌」の違い

ひらがなの「がん」、カタカナの「ガン」は同じ意味で使われ、どちらも悪性腫瘍をすべてひっくるめた言葉です。実は「がん」=「悪性腫瘍」には、専門的に下の3つのカテゴリーに分けられます。

  1. 上皮系悪性腫瘍
  2. 非上皮系悪性腫瘍
  3. 独立円形腫瘍

このうち1. 上皮系悪性腫瘍と、2. 非上皮系悪性腫瘍はそれぞれ別名があります。

1. 上皮系悪性腫瘍は別名「癌」(漢字で書く)、2. 非上皮系悪性腫瘍は別名「肉腫」と呼ばれます。

すなわち、

  • ひらがな、カタカナの「がん」「ガン」=悪性腫瘍の総称
  • 漢字の「癌」=悪性腫瘍のうちの、上皮系悪性腫瘍

ということになります。

「がんです」と「腫瘍です」は少し意味が違う

「がん」という言葉は、悪性の時にしか使いません。すなわち、獣医師から「がんです」と言われた時、それは「悪性腫瘍です」ということです。

一方、「腫瘍」という言葉は、良性、悪性どちらにも使います。すなわち、「腫瘍です」と言われた時には「良性」か「悪性」かをしっかり確認しておきましょう。